ビジネスが使うAIツールに、静かに現れつつある新機能があります。しかも、それは実に麗しく響きます——記憶です。アシスタントはあなたの顧客、プロジェクト、好みを覚えていて、あなたは二度と自分のことを説明せずに済む。これは本当に便利です。同時にそれは、多くの人が高揚のあまり飛ばしてしまう問いを尋ねるべき瞬間でもあります——それを、いったいどこに、しまっているのか?
便利な部分
今月、Google Cloudは「常時オンの記憶」を持つエージェントを発表しました——尋ねられたときに事実を思い出すだけでなく、時間をかけて自社への理解を絶えず積み上げ、整えていくAIです。ほかの企業向けアシスタントも、同じ考えを取り入れつつあります。毎朝ゼロから始める代わりに、エージェントは文脈を引き継ぎます。この顧客が先週苦情を言ったこと、この商談がもうすぐまとまること、あなたが物事をある決まったやり方で好むこと、を知っているのです。
うまくやれば、それは本物の贈り物です。繰り返しが減り、こぼれ落ちる話題が減り、まるでここで働いているように感じられるアシスタント。誰もそれを手放したくはないはずです。
立ち止まる価値のある部分
けれども記憶とは、「それが残しておくと決めたデータ」の別名にすぎません。そしてAIがあなたの顧客について記録を持ち続けた瞬間、三つの古びて華のない問いが、まっすぐ戻ってきます。それは何を覚えてよいのか。その記憶はどこに保存され、誰が見られるのか。そして——大事になるまで人が忘れている問い——それに忘れさせることはできるのか。
最後の問いは些細なことではありません。もし顧客が自分のデータを削除してほしいと求めたとき、「AIがどこかでまだその人を覚えている」は、規制当局に対して受け入れられる答えではありません。中を確かめることも消すこともできない記憶は、機能ではありません。それは、親しげな顔をまとった負債です。
二日酔いなしに楽しむ方法
良い知らせは、これらのどれも記憶をオフにする必要はない、ということです。必要なのは、それを顧客データが宿るほかのあらゆる場所と同じように——意図をもって——扱うことです。エージェントが何を覚えてよく、何を決して残してはならないかを、あらかじめ決めること。その記憶を、信じるしかないブラックボックスではなく、自分が管理し中を覗ける場所に置くこと。「この人を忘れる」が、実際に押せるボタンであり、残りのデータと同じ同意・削除のルールに結びついていることを確かめること。
それをやれば、記憶はまさに約束どおりの静かな優位になります——あなたのビジネスを知りながら、あなたが意図して引いた線の内側に収まったアシスタント。それを飛ばせば、あなたはただ、顧客データのコピーをもう一つ、自分には見えない場所に、しかも法的責任を負わされる形で作り出しただけになります。
覚えているAIは、今年の終わりまでにはどこにでもあるようになります。それを愛せる企業は、それが何を保持してよいかを、あらかじめ決めておいた企業です。記憶が贈り物になるのは、鍵を握っているのがあなた自身であるときだけなのです。